ハイラインアートのコミッション作品、メリエム・ベナーニの「ウィンディ」、24番街で展示

ハイラインアートとオーデマ ピゲコンテンポラリーの共同コミッション作品として制作されたアーティスト、メリエム・ベナーニの初の公共スカルプチャー「ウィンディ」が24番街のハイラインに設置され、2023年5月まで公開されています。このベナーニのプロジェクトは、ハイラインアートとオーデマ ピゲ コンテンポラリーが初めて共同キュレーションにより共同コミッション制作するパプリック・スカルプチャーです。ハイラインアートとオーデマ ピゲ コンテンポラリーのキュレーターたちがベナーニ、ハイラインアートの製造エキスパートチームと緊密に連携し、この大胆なアートワークを完成させました。

モロッコ生まれでニューヨークで活動するベナーニは人間の行動について、また私たちのオンライン/オフラインの体験について語るビデオ作品で知られます。リアリティTV、カートゥーン、ドキュメンタリーフィルム、ソーシャルメディアなどから多様な要素をブレンドし、ユーモアを交えながらこの世の不条理を描き出します。 ベナーニのアートの新たな方向性を示すこの作品「ウィンディ」はフィルムとアニメのコマンドを動く3Dスカルプチャーに翻訳し、ビデオの中で示唆された動きを別の形で表します。

「ウィンディ」はニューヨークの1年間のどの季節にも耐えるよう設計されています。ディスクは軽量で紫外線に耐える防水のフォーム材で作られており、スカルプチャーは雨が降ってもスピンできるようになっています。フォーム材は正確にカットされ、製造工程で無駄が出ないよう注意が払われています。

「ウィンディ」 はベナーニのこれまでの作品よりも抽象的です。コミッション制作により、ベナーニは複数のエリアからのインスピレーションにより作品に新たな方向性を打ち出すことができました。スカルプチャーのとめどのない動きはニューヨークの雑踏の中を歩く時の感じや、ニューヨークで最も人気の高い公園ハイラインの動きと素早い変化などを捉えています。「ウィンディ」 はニューヨークの熱気とエネルギーにあふれた空気を切り取ったビジュアルのようです。

ハイラインアートとオーデマ ピゲ コンテンポラリーのコラボはどちらのプログラムにもメリットがあり、招聘アーティストのアート活動に新たな発展の機会を提供することになります。ハイラインアートとオーデマ ピゲ コンテンポラリーの双方が意義ある、持続可能で協力的な方法によりアーティストを支援し、それがなければ生まれなかったであろう新たなアートワークを生み出します。

作品「ウィンディ」の制作により、スカルプチャーへの理解を深めることができ、新しいコンセプトと技術を駆使した作品に挑むことができました。プロジェクトは動く画像にインスパイアされ、アニメーションのプロセスを多く思い起こさせます。と同時にとても異質なものでもあり、これまでのビデオ活動の対極にあるようでもあるように見えます。「ウィンディ」は これまでの作品よりずっと抽象的であり、多くの違った解釈が可能です。見学者の皆様にはこの作品を前にした時に、飾らない自然なリアクションが生まれ、その混沌としたエネルギー、ニューヨークとハイラインのエネルギーに吹き飛ばされるような瞬間が訪れることを願っています。私のキャリアで初の公共スカルプチャーを完成させることができたのは、ハイラインアートとコンテンポラリーのご支援とサポートによるものであり、心から感謝しています

メリエム・ベナーニについて

アーティスト

メリエム・ベナーニについて

写真:ファラ・アル・カシミ。アーティスト、ハイラン、オーデマ ピゲ提供。

メリエム・ベナーニ(1988年モロッコのラバート生まれ)はニューヨークで活動するアーティストです。2022年は「ウィンディ」に加えて、イリノイ州シカゴのルネッサンス ソサエティでの個展、また英国ノッティンガムのノッティンガム コンテンポラリーでの個展(2022年)を開きます。その前に開いた個展は:ドイツ、ベルリンのジュリア ストチェク コレクション(2020年)、フランス、パリのルイ・ヴィトン財団(2019年)、ニューヨーク市のキッチン (2017年)、ニューヨーク市の現代美術館 PS1(2016年)。グループ展では:カリフォルニア州ロサンゼルスのLAX(2020年)、デンマーク、コペンハーゲンのクンスタールシャルロッテンボルグ(2020年)、イタリア、ローマのMAXXI 国立21世紀アート美術館 (2018年)。その前にも数々の国際エキシビションに参加しています:ニューヨーク市のホイットニー ミュージアム オブ アメリカン アートのホイットニービエンナーレ(2019年)、イタリア、トリノの動く画像ビエンナーレ(2019年)、スイス、ジュネーブの現代アートセンター(2018年)、フランス、レンヌビエンナーレ(2018年)、中国の第11回上海ビエンナーレ(2016年)。

メリエムとこの旅に出発し、アーティストとスカルプチャーとの関係を考える中でスカルプチャーで何ができるかという可能性を押し広げたことは楽しい体験でした。セシリアとハイラインアートのコラボにより、オーデマ ピゲ コンテンポラリーのプログラムと一致する形で、アーティストを支援しその創造活動をサポートすることができ、光栄です。「ウィンディ」 がハイラインに設置され、これから1年間これを楽しむことができるのを嬉しく思っています

オードレイ・テイクマン

アートキュレーター、オーデマ ピゲ コンテンポラリー

ハイラインの上空からの眺め

2009年設立のハイラインアートは特定の場所専用コミッション作品、エキシビション、パフォーマンス、ビデオプログラム、ビルボードなど幅広いコミッョン制作を行っています。ハイラインアートでは、セシリア・アルマニをリーダーとしてハイラインアートのジュニアディレクター&チーフキュレーターのドナルド R.マレンがアートプログラムを進めています。これはユニークな建築、歴史、公園設計などについて創造的な活動をアーティストに推奨し、周囲の住民や都市計画との生産的な対話を促進しようとするものです。