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2015年 03月01日
アレクサンドル・ジョリーの「ワイルドコンステレーションズ」は、実物の苔や植物が埋め込まれた大きな垂直のエコウォールからサウンドが発信される音のアートワークです。最初の展示は2015年、バーゼル、マイアミビーチ、香港のアートバーゼルでした。
このインスタレーションには自然の音と工業の音が使われています。木々の枝を震わせる風の音、山の氷にひびが入る音、ウォッチムーブメントのチクタク音、これらはジュウ渓谷の自然の中、そしてオーデマ ピゲのマニュファクチュールの中で録音されたものです。
ジョリーはこのような土地の音を集めた広範なライブラリーをミックスし、45分のトラックにまとめあげました。植物でできた壁にはピエゾと呼ばれる小さなゴールドカラーの丸いスピーカーがいくつもセットされており、そこからサウンドが流れ出てきます。これらは壁を取り囲むようにいくつかのバリエーションでアレンジされ、ピアノ線で連結されています。こうして近くにいる人々の動きやリズムによりリバーブが生まれてサウンドは常に揺れ動き変化します。
サウンドは、空間を彫り出す物理的素材のように機能することができる
アレクサンドル・ジョリー
アレクサンドル・ジョリー(1977年生)はジュネーブを拠点するフランス出身のインスタレーション アーティストで、その作品はサウンドクリエーション、そして自然と動物の世界の実在性を探索するものです。現場で触れることのできる要素とパフォーマンスを組み合わせた彼の作品は、視覚と音響を織り交ぜたもので、そこに生まれる想像の風景の中で来訪者は全身でそれを知覚し、体験します。ジョリーは現在、サウンドクリエーション活動に強く関わっています。設置したデバイスやパフォーマンスの周囲で、彼は素材、オブジェ、サウンドの間の相互作用を模索します。
ジョリーは工業デザイン、プロダクトデザインと美術を学んだ後、ジュネーブ美術デザイン大学(HEAD)で教鞭をとりました。イレーヌ・レイモン賞、キーファー・ハブリツェル賞の受賞の他、様々な国際レジデンスを行いました。その中には上海のThe Spirit of the Mountain, Henan and the Swatch Art Peace Hotelがあります。彼の作品は世界各地で展示されています。その中にはモスクワのNational Center for Contemporary Arts、ヴィローバンヌのInstitut d’art contemporain、杭州市のHenan Art Centerなどがあります。彼の作品はチューリッヒのGalerie Roemerapothekeにより管理されています。