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2022年 06月29日
オートオルロジュリーは忍耐と時間を必要とします。昔からの技術と様々な動作を駆使して作られ、今でも手作りの部分が多くあります。オーデマ ピゲの時計はこうして数百時間をかけてやっと完成します。
創立者たちの前衛的な精神に忠実に、オーデマ ピゲは限られた製造本数と、選び抜かれたネットワークで販売しています。その目的は伝統を尊重し希少な素材と時計作りの熟練から生まれた最高のタイムピースをお客様にお届けすることです。1875年、工業ブームが到来し大規模製造が始まった頃、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲは複雑なメカニズムの手作りの時計アトリエを開き、ソヌリウォッチやクロノグラフ、アストロノミカル コンプリケーションなどを専門に製造していました。注文生産のタイムピースは単品、またはごくわずかの数量で作られました。
地域に発達した家族経営の職人仕事(エタブリサージュとして知られる)とそのネットワークにより、オーデマ ピゲの創立者たちはダイヤル、ケース、ブレスレットを近隣の優れた専門メーカーで調達していました。一つ一つの時計は手作業で装飾し組み立てられ、クラフツマンたちの才能と熟練により、伝統と革新の両方を実現しながら製造されました。
1950年になってオーデマ ピゲは少数ロットを製造するようになり、1970年代にはロイヤル オークが 最初のコレクションとして誕生しました。その歴史を守り、マニュファクチュールが今日も心をこめて製造する希少な時計は、優れたデザインに、革新的なキャリバーを搭載し、高度な仕上げを施しています。傑作が生まれるには時間がかかるのです。新しい50周年記念ロイヤル オークコレクションは、エクセレンスと忍耐力というノウハウとアートを披露しています。
数字は言葉よりものを言うといわれます。マニュファクチュールのデザイナーとエンジニアたちが新しいロイヤル オークのケースを開発するのには2年がかかりました。最初のアイデアからスケッチ、コンピュータを使った設計からプロトタイプの制作、そして完成品までの長い道のりです。ゴールは常にウォッチのエルゴノミーを最大にし、快適な着け心地を得ることでした。そのためケースは上面と下面の両方で斜面をより広くとりました。
50周年記念モデル(“ジャンボ”モデルを除き)ではこの微妙な調整により、ロイヤル オーク コレクションの特徴であるポリッシュとサテン仕上げのコントラストによる光の反射効果が一層高まりました。
デザインの進化
ダイヤル部分にも注目すべきディテールがあります。アワーマーカーと針はそれぞれのサイズごとに統一されました。12時位置には新しいエンボスのアプライド ポリッシュゴールドのオーデマ ピゲ シグネチャーロゴが輝きます。この小さなロゴには時間も労力もかかりました。外部のサプライヤーにより24Kの薄いゴールドレイヤーを3Dプリントに似たガルバニック加工で生成します。オーデマ ピゲのシグネチャーを構成する各文字は髪の毛のように細いゴールドの糸でつながっており肉眼では見えないほどの微小な脚(台座)がついています。これを使って手作業でダイヤルに取り付けます。
オーデマ ピゲ のデザイン部でスケッチが完成すると、プロジェクトマネジャー、コンストラクター、ドラフツマン、プロトタイプ制作、開発コーディネーターなどを含む百名以上の人々が各分野から参加し、複雑な工程が始まります。新しいリファレンス毎にチームが構成され、協力し合いながらプロジェクトを進めて行きます。新しいステンレススティールのロイヤル オーク
オートマティック 37ミリのブレスレットも、最初の四段の台形のコマのデザインから組立、コマとリンクのアングル磨きとポリッシュまで、多くの専門的作業を必要としました。
ガルバニック加工によるユニークなゴールドのロゴ
キャリバー7121は当社のエンジニアと時計師たちの手で 双方のノウハウを駆使して完成しました。部門間の柔軟なコラボレーションから誕生したこのパワフルで頑健な極薄自動巻きムーブメントは、ロイヤル オーク “ジャンボ” のケースのしなやかな構造にぴったりです。オーデマ ピゲ自社開発の新世代ムーブメントの道を切り拓くものです。
ルカス・ラッジ
研究開発部門ディレクター
オーデマ ピゲではデザインと技術を切り離すことはできません。前衛的なデザインは技術の確かな熟練と一体であり、ともに時計に息吹を吹き込むものです。キャリバー4401を完成させるためにどれだけの時間がかかったかは、ロイヤル オーク クロノグラフ 41ミリのサファイアケースバックから手仕上げの美しい装飾で飾られた数百もの小さな部品を見るだけでわかるでしょう。このキャリバーはフライバック機能を持つ一体型クロノグラフ、デイト修正機能、垂直クラッチシステム、一体型コラムホイールを備えています。このムーブメントは数百時間をかけてやっと完成しました。
キャリバー7121の開発は設計、承認、認証、標準化などの課程を含め5年かかりました。その成果として耐久性に優れ効率の良いムーブメントが完成し、ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シンに搭載するにあたり、ケースのデザインや厚さを変更せずに構造に適応することができました。このキャリバーのイノベーションは、大きな香箱(精度が向上)、ボールベアリングに組み付けた50周年記念特製ローターの振動ウェイト(なめらかな双方向回転)、慣性ブロックを内包したテンプ(摩擦の減少)、特許保持の極薄の低エネルギーのデイト修正メカニズムなどがあります。
新ビデオシリーズ「時間をかけて生まれた傑作」で、キャリバーにさらに詳しくご覧ください。
キャリバー7121
キャリバー7124
キャリバー4401
ロイヤル オーク50周年記念コレクションの特製ローターは10段階もの製造工程を必要とし、開発には6ヶ月かかりました。
ロイヤル オークの50周年を記念した新しいローターの設計には4ヶ月かかりました。時計の巻き上げを行うこの大切な部品の設計にはスケッチ開始から技術図面まで4か月を要しました。そしてさらに6か月の開発期間を経て最終製造段階へと進みました。すべての新しいアニバーサリーモデルに採用されるこの特製ローターは、ケースの色にマッチさせ、ポリッシュとサテン仕上げを組み合わせています。大きなサイズとエレガントなラインに加え、50周年記念アニバーサリーロゴとオーデマ ピゲ シグネチャーのエングレービングが魅力です。
ロイヤル オーク50周年記念ローター
まず色があります。光を反射して動くような、魅力的で深いカーキグリーン。オーデマ ピゲならではのこのカラーは、新しいピンクゴールドの41ミリ ロイヤル オーク クロノグラフ、37ミリと41ミリのロイヤル オーク オートマティックのグランドタペストリー ダイヤルに使われています。マニュファクチュールでは18か月をかけて試験と研究を繰り返し、ル・ブラッシュの森の色を思わせる濡れたようにつややかなグリーンカラーを開発しました。カーキ色のカウンターにマッチするピンクゴールドのアワーマーカーと針を採用しました。
1972年のロイヤル オークと同じように、アニバーサリーモデルのいくつかのリファレンスは最初のモデルのダイヤルカラーである、伝説のナイトブルー、クラウド50 のカラーを使っています。当初このブルーはガルバニック加工で出していましたが、最終的な色の均一性がなかなか得られませんでした。まる一年をかけてオリジナルの色あいを再現し、現在この鮮やかなブルーはPVD(蒸着:Physical Vapour Deposition)加工により得らると共に、全てのダイヤルが均一に仕上がり経時的な耐久性も向上しました。
50年も前の由緒あるギヨシェマシンを使ってイエローゴールドのロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シンのダイヤルに彫り込むプチタペストリーのモチーフはとても複雑なものです。数千の小さな四角ベースのピラミッドが整然と並び、台形の斜面が直接メタルに彫り込まれ、深みのある均一でなめらかな織物のような効果が得られます。マニュファクチュールのアトリエでは古いギヨシェコピーマシンを入手し、これらのダイヤルを全て自社で製造しています。オーデマ ピゲ の時計の製造は、このように時間と様々なノウハウの積み重ねから生まれるのです。
- カトリーヌ・ドラビー
ナイトブルー、クラウド50
ギヨシャージュ
スモークダイヤル